
NPOピースホープは、家庭や社会で孤立を経験してきた若者たちが安心して暮らし、自分の人生を切り拓いていける「自立援助ホーム カイロス」を開設します。子ども食堂で聞こえた声「家に帰ってもな。」「ひとりでご飯を食べてる。」小さな背中で必死に踏ん張っている子どもたち。
シングルマザーの方から「こんな場所が早くあったら…。実は離婚後、息子は自分で命を…。」という言葉を伺ったとき、私たちは涙が止まりませんでした。温かいごはんと笑顔が集まる場所だからこそ、孤独や不安が浮き彫りになったのです。中学を卒業する年齢になっても、安心して眠る場所がない。頼れる大人がそばにいない。そんな若者たちに「大丈夫やで」と伝えたい。その願いが形になったのが、自立援助ホーム「カイロス」です。カイロスには「人生の大切な時」「チャンス」という意味があります。15〜22歳の男子6人が、新しい一歩を踏み出し、進学や就職の準備を整え、つまずいてもまた立ち上がれるように寄り添う家です。このホームを“安心して大の字で眠れる場所”にするのには、どうしても皆さまの力が必要です。リフォーム代、6人分のベッドや机、生活用品、暮らしの基盤となるものが足りていません。若者を未来へ押し出すために力を貸してください。あなたの寄付が、ひとりの若者の「生きていける」という希望につながります。温かいご支援を心からお願い申し上げます。
帰る家のない子どもたちが、未来をあきらめないため「自立援助ホーム カイロス」開設へ
奈良市で子どもたちの居場所づくり活動を行っている、私たちNPO法人ピースホープは、2026年5月、家庭や社会で孤立を経験してきた子ども・若者が、安心して暮らし、自分の人生を切り拓いていくために「自立援助ホーム カイロス」を開設します。

1.自立援助ホームとは?
自立援助ホームは、児童福祉法に定められた児童自立生活援助事業です。虐待や貧困等、様々な家庭の事情によって親と暮らすことができず、困難を抱える子ども・若者が、衣食住の保証と心のより所を得ながら「自分1人で生きていく」力を養うために共同生活を送る場所です。ここは、ただの「住まい」ではありません。
高校に通いながら、仕事をしながら、食事を整え、部屋を保ち、人と関わる中で、「ありがとうございます。」「ごめんなさい。」を自然に交わすことができる毎日を積み重ねていきます。
スタッフは食事、洗濯、掃除などの生活上の指導や学習支援、就労支援を行います。ですがスタッフは「指導者」ではなく、彼らに寄り添い、彼らの声に耳を傾け、相談に乗るなどし「メンター」として共に生活をします。レールを敷くのではなく、「こんな生き方があるよ。」とレールを紹介していきます。
言葉と言葉のキャッチボールの中で、若者たちは初めて「大人を信じてもいいのだ。信頼してもいいのだ。」と感じ、自分で物事を選択し、生きる力を育んでいきます。そして、彼らは社会へ踏み出す前に立ち止まり、安心と安全の中で自信を取り戻していきます。そのような生活を通し、私達は彼らが経済的にも精神的にも自立した大人へと歩み出すことを支えていきます。

2.なぜ今、自立援助ホームなのか?
1)養育を必要とする子ども・若者の現状
こども家庭庁の統計によると、日本全国で養育を必要としている子ども・若者は 49,426人 います。
2022年度「児童養護施設入所児童等調査」(*調査日2023年2月1日)
| 施設 | 入所人数 |
| 児童養護施設入所児童 | 23,043人 |
| 乳児院入所児童 | 2,404人 |
| 里親委託児童・ファミリーホーム委託児童 | 7,770人 |
| 自立援助ホーム入居児童 | 958人 |
| 児童自立支援施設 | 1,135人 |
| 障害児入所施設 | 8,244人 |
| その他 | 5,872人 |
多くの子どもたちは、乳児院から児童養護施設や里親家庭などへと移り、生活と安全が守られた環境で育ちますが、ある一定の年齢に達し児童養護施設や里親家庭での生活を終えると、「退所」という形で社会へと送り出されます。
しかし、社会で自立して行くために十分な準備が整った子ども・若者ばかりではありません。実際に「一人で生きていく準備ができている」10代の若者は、ごくわずかです。時にそれは、「社会に放り出される」と言ってもいいほど、厳しい現実です。
中には行き場を失い、ネットカフェや知人の家を転々とする子ども・若者もいます。
働きながら学校に通おうと必死に踏ん張る子ども・若者もいますが、不安定な生活のため、退学を余儀なくされる子ども・若者もいます。そのような状況にある彼らは、今この瞬間にも、誰にも頼ることができず、また公的な支援につながれないまま、孤立した状況にあります。
施設で育った子ども・若者たちは、義務教育終了前に、進路を考える中で、「自立援助ホーム」への入所を選択することがあります。自立援助ホームは、家庭へ帰るという選択肢を持つことができない彼らにとって、安心して暮らすことができる「帰る家」となります。










