
クラウドファンディングは購入型、寄付型、ふるさと納税型、投資型、不動産型など細分化されており、支援者の方はご自身のスタイルにあわせた種類のクラウドファンディング、プロジェクトに支援しています。
特にここ数年の国内クラウドファンディングのトレンドはこの”購入型クラウドファンディング”です。
起案者がクラファンの概要・期限・目標額などを設定し支援を募り、主に支援者へのリターンは”商品”となります。
購入型クラウドファンディングは資金調達の新たな手法として、よく用いられるようになってきています。
また、購入型クラウドファンディングの中でも更に“All or Nothing”と”All In”の2種類に分類され、それぞれのメリット・デメリットがあります。
このページでは購入型クラウドファンディングの特徴を詳しく解説し、これからクラウドファンディングに挑戦する方、クラウドファンディングに参加する支援者の方の参考になればと思います。
購入型クラウドファンディングの特徴
購入型クラウドファンディングとは、下記の図のように起案者のプロジェクトに対して支援者がお金で支援し、その対価(リターン)として商品やサービスを受けられるクラウドファンディングの仕組みです。
商品を購入するという点ではECサイトで商品を買ったりするのと変わらないように思いますが、クラウドファンディングの場合、まだ世に出ていない新しい商品であったり、そのプロジェクトのコンセプトに共感できるプロジェクトであったりするため、応援ついでにリターンとして商品を受け取る!という仕組みになっています。

All or Nothing型とAll In型の違い
◇All or Nothing型
ALL or Nothing型は目標金額を達成できた時に限り、その支援金を受け取ることができます。
それまでクラウドファンディングにかけた時間と労力が無駄になってしまう可能性があり、All in型と比べるとリスクが高いとされます。
◇All In型
目標金額を達成できても、未達で終わっても、そこまでに集まった支援金を受け取ることができる方式です。ただし、注意点は未達で終わっても必ずプロジェクトを実行、リターンがあれば実行しなくてはなりません。
そのため、支援総額が目標を大きく下回ってしまうと、予算不足でプロジェクトを実施しなければいけないことになります。
| All or Nothing | All In方式 | |
| 資金調達の条件 | 目標達成した場合のみ | 目標未達成でも終了時点で集まった資金を受け取ることが可 |
| リターン | 目標達成した場合のみ | 目標達成の可否に関わらず、リターン義務がある |
| 目標額が未達の場合 | そこまで寄付された金額は支援者に返金 | 目標未達成でも終了時点の調達額を受け取ることが可 |
| メリット | ・目標未達の場合はリターンを履行しなくていよい。 ・目標未達の場合、プロジェクトを実行しなくてよい。 ・負債を抱えるリスクが低い。 ・マーケティングリサーチとしても有効。 | ・目標未達の場合でも支援額を受け取れる。 ・新商品・サービスの宣伝目的としても有効。 |
| デメリット | 目標未達の場合、支援者をガッカリさせてしまう。 | ・目標達成の場合、必ずリターンを行う必要がある。 ・支援額に関わらずプロジェクトを実行する必要がある。 |
購入型クラウドファンディングの市場規模
世界規模で見ると2025年時点で17.4億ドル(2,750億円)に達し、2030年までには36億ドル(5,690億円)に達すると見込まれています。
世界市場は欧米からアジア・オセアニア圏にシフトし、中でも「社会課題とテクノロジーを掛け合わせたプロジェクト」が主力としてクラウドファンディング業界を牽引していくと言われています。
国内の8大クラウドファンディングプラットフォームを見ても、CAMPFIRE・Makuake・READYFOR・GREEN FUNDINGの4社が市場の9割を占めており、総プロジェクト2.5万件、支援者350万人で2024年に432億円になりましたが、ここ3年は成長率平均はおよそ3%と落ち着いた状態ではあります。
購入型クラウドファンディングに関する法律について
購入型クラウドファンディングで起案者として支援を受け資金調達する場合、通信販売と同等とみなされるため、広告規制に関する特定商取引法、景品表示法、消費者契約法の3つの法律を遵守する必要があります。
単に資金調達という目的でクラウドファンディングを実施してしまうと、前述した3つの法律に反してしまい罰則を受ける可能性もあるので十分に注意してから開始しましょう。
この点は寄付型や投資型などと比べ、他のクラウドファンディングとの大きな違いとなります。
- 特定商取引法:「特定商取引法に基づく表記」というページを用意する必要がある。
- 景品表示法:誇大・虚偽広告に抵触しないような表現が必要。
- 消費者契約法:消費者保護のため「瑕疵担保責任は一切負わない」つまり、契約内容に適合しない不具合を知っていながら隠匿していた場合は契約無効となります。
購入型クラウドファンディングには様々なメリットがあり、リスクも低いことから挑戦する企業、個人の起案者が増えているのが実状です。
具体的には下記のような5つのメリットが考えられます。
それぞれ解説していきましょう。
- スタートアップの企業や個人の場合、手軽に資金調達することができる。
- 目標未達の場合、プロジェクトを実行しなくてよい。
- マーケティングリサーチとしても有効。
- リリース前に優良顧客を獲得することができる。
- シンプルに商品やサービスの広告・宣伝・PRにも使うことができる。
スタートアップの企業や個人の場合、手軽に資金調達することができる。
スタートアップ企業や新商品開発、また個人事業で商品を販売したい場合、どうしてもネックになるのが資金です。
通常は銀行から資金を借り入れたり、投資してくれる人やVCのような企業に出資してもらうのが一般的ですが、購入型クラウドファンディングを使えば資金を集めることができます。
また、金融機関など融資を断られた案件でも資金調達できる可能性があるのに加え、融資やローンと違い返済のリスクが少ないのも、クラウドファンディングでの資金調達の特徴です。
目標未達の場合はリターンを履行しなくていよい。
購入型クラウドファンディングに挑戦し、目標金額に達せずに終了した場合、予定していたリターンのお返しは不要となります。
事前に用意していた商品などが無駄になることがありません。
当たり前と思うかもしれませんが、そうではないクラウドファンディングの方式もありますので、これは購入型クラウドファンディングのメリットの一つと言えます。
マーケティングリサーチとしても有効。
新商品やサービスを購入型クラウドファンディングを行うことで、市場がどのような反応するかを検証することができるのです。
購入型クラウドファンディングを行うのと、実際にマーケティング調査に掛かる費用を比べても圧倒的に安く済みますし、スピード感、確実性だけでなく顧客の生の声を聴ける絶好の機会となります。
リリース前に優良顧客を獲得することができる。
購入型クラウドファンディングを通して繋がった支援者さんはそのプロジェクトへの共感度が高いので、通常の顧客よりもファン度が強いです。
一度ファンになってもらえた支援者さんのリピート率や拡散力も高いと考えられます。
シンプルに商品やサービスの広告・宣伝・PRにも使うことができる。
クラウドファンディングを実施しながら、宣伝にも一役買えるのがクラウドファンディングの良いところです。
実際に目標未達で終わっても、クラウドファンディングサイト内で多くの人の目に留まることには変わりありません。
費用をかけて広告展開せずに、認知度を上げ、成功すれば資金調達ができるなど購入型クラウドファンディングにはメリットが多いのが魅力です。
上記で購入型クラウドファンディングには様々な魅力的なメリットを挙げましたが、もちろんデメリットも存在します。
下記のような5つのデメリットも念頭に置きつつ、実際にクラウドファンディングを実施するか検討してみてください。
それぞれ購入型クラウドファンディングのデメリットを解説していきましょう。
- 目標が達成できるとは限らない。
- プロジェクトを管理できるスタッフがいない。
- アイデアが盗まれてしまう可能性がある。
- 原則、途中でやめることができない。
- All In型は目標未達でもプロジェクトを実行、リターンも返送しないといけない。
目標が達成できるとは限らない。
当たり前ですが必ずクラウドファンディングは成功するわけではありません。支援者からの目標金額に達しない場合は失敗となります。
そうなった場合は、予定していたプロジェクトの実行は不可能となり、他から資金を獲得することになってしまいます。
プロジェクトを管理できるスタッフがいない。
ひとえにクラウドファンディングと言っても、それに掛かる労力は想像以上です。
プロジェクトの企画だけでなく、プロジェクトページ作成のための写真や動画撮影、文章作成、キャッチコピーの作成、SNSの管理など、事前準備は膨大です。
また、プロジェクトが成功した場合は、支援者へのリターンを送る作業なども発生します。
通常業務以外にこれだけの業務を担当するスタッフがいるかどうかも、プロジェクト成功に大きく左右してくるでしょう。
アイデアが盗まれてしまう可能性がある。
購入型クラウドファンディングでは、プロジェクトへの理解を求めるために詳しく商品やサービスの説明を掲載せざるを得ません。もしライバル企業がそれを見たときに最悪の場合、アイデアを盗用され先に商品・サービスをリリースされてしまう可能性があります。このような事態を防ぐために、事前に特許を取ってからプロジェクトページを公開する企業さんも少なくありません。
原則、途中でやめることができない。
一度プロジェクトがスタートしてしまうと原則、あとから内容の変更や削除はできません。
誤った内容を掲載してしまった場合でも、クラウドファンディングサイト上に情報が残ってしまうので、あまり印象が良いとは言えません。
公開前にいつ誰に見られても問題ないように十分に確認を行ってから、リリースしてください。
All In型は目標未達でもプロジェクトを実行、リターンも返送しないといけない。
All In型では残念ながら目標金額に達しなかった場合でもプロジェクトは予定通り実施しなくてはいけませんし、予定していたリターンも返さなくてはなりません。
資金調達は失敗した上に、リターンも実施しなくてはいけないとなると・・・どうなるかなんとなく想像がつきますよね。
CAMPFIRE
購入型国内クラウドファンディング年間支援プロジェクト成立件数 No.1 の日本最大級のプラットフォームです。
地域活性化を目指す「CAMPFIRE ふるさと納税」、継続的な支援を行なう「CAMPFIREコミュニティ」、クリエイターの思い描くアイデアの商品化を目指す、製造小売型クラウドファンディング「CAMPFIRE Creation」など、9つのプラットフォームを提供しています。
| 特徴 | ・日本最大級クラファンサイト ・シェアNo1 ・独自の支援サービス |
| ジャンル | 総合 |
| 手数料 | 17%+税金(決済手数料5%を含む) |
| 成功率 | 約46% |
| ユーザー数 | 約510万人 |
| 累計支援総額 | 約1,100億円 |
| 通算プロジェクト数 | 約11万 |
| サイトURL | https://camp-fire.jp/ |
Makuake

株式会社サイバーエージェントのグループ企業である、株式会社マクアケが運営するクラウドファンディングサイトです。
サイバーエージェントが保有する告知力やノウハウを活用できることが強みで、スマホでの決済対応などにも力を入れており、1億円以上集めるプロジェクトも複数でてきています。
また、近年では全国100社以上の金融機関との連携により日本各地の事業者が活用しているほか、国内外の流通パートナーとも連携し、プロジェクト終了後も事業が広がるよう支援しています。
| 特徴 | ・メディア掲載数が5,000件以上と実績が豊富 ・個別相談や戦略立案、起案者をサポート ・独自の分析ツールを提供 |
| ジャンル | 総合 |
| 手数料 | 20%+税金(決済手数料を含む) |
| 成功率 | 約66% |
| ユーザー数 | 約290万人 |
| 累計支援総額 | 約1,050億円 |
| 通算プロジェクト数 | 約4,3万 |
| サイトURL | https://www.makuake.com/ |
GREEN FUNDING
GREEN FUNDING(グリーンファンディング)のは、CCCグループ(TSUTAYA、蔦屋書店・家電)の強力なネットワークを活用できる点にあります。
また、ガジェット・テクノロジー系やクリエイティブ分野に強いこと、モール型で起案者・支援者双方のメリットがあることです。
特に、蔦屋書店・家電での展示イベントを開催することで、クラウドファンディングにリアルな体験を組み合わせ、支援者の購買意欲を高めることが強みで、リピート率も圧倒的です。
| 特徴 | ・TSUTAYAグループ連携による独自支援 ・ガジェット・テクノロジー系プロジェクトに強い ・厳選された(審査制)プロジェクトが多く、リピート率が高い |
| ジャンル | 家電・ガジェット |
| 手数料 | STANDARD:20% PARTNER:13%+初期費用130万円 |
| 成功率 | 約86.4% |
| ユーザー数 | 約34万人 |
| 累計支援総額 | ー |
| 通算プロジェクト数 | ー |
| サイトURL | https://greenfunding.jp/ |
未来ショッピング
未来ショッピングは、日本経済新聞社が運営する購入型クラウドファンディングで、日経読者層(富裕層・ビジネス層)へのリーチ、豊富なデータベースを活用したターゲティング、LINE公式パートナーとの連携、専門スタッフによる伴走支援が主な特徴で、イノベーションや地方創生に繋がる質の高いプロジェクトを支援し、「TAKUMI」「LOCAL」「LUXURY」など多様なカテゴリで展開しています。
| 特徴 | ・約4500万UBを持つ日経電子版の読者にアプローチ ・約1,100万人の日経電子版会員データベースを活用 ・LINEの公式パートナーENjiNEへの同時掲載 |
| ジャンル | 総合 |
| 手数料 | ー |
| 成功率 | ー |
| ユーザー数 | ー |
| 累計支援総額 | ー |
| 通算プロジェクト数 | ー |
| サイトURL | https://shopping.nikkei.co.jp/ |
kibidango
Kibidango(きびだんご)のは、「クラウドファンディング型EC」として、ガジェットやガジェット、日用品などの「半歩先の未来」を届けるユニークな商品が多く、成功率が高く、専任スタッフのサポートが手厚い点です。特に、「プロジェクト成功率約80%」を誇り、手数料が安め(15%程度)な上、アイデアを「きびだんご的商品」として形にできるため、起案者にも支援者にもメリットが大きいのが魅力です。
| 特徴 | ・高い成功率と手厚いサポート ・安い手数料 ・海外のガジェットや、国内のユニークな商品に強い |
| ジャンル | 総合 |
| 手数料 | 15%+税金 |
| 成功率 | 約80% |
| ユーザー数 | 約20万人 |
| 累計支援総額 | ー |
| 通算プロジェクト数 | ー |
| サイトURL | https://kibidango.com/ |
今回は購入型クラウドファンディングに焦点を当て、特徴やメリット・デメリットなどを解説しました。
個人でも企業でも簡単に始められる購入型クラウドファンディングだからこそ、その特徴をしっかりと把握してプロジェクトを実施して、資金調達、商品のPR、マーケティングに役立ててみてください。


