鹿児島県南九州市にある知覧特攻平和会館は、第二次世界大戦末期の沖縄戦において、爆装した飛行機で敵艦に体当たり攻撃をした特攻隊員の遺品や資料を展示しています。本館は、昭和62年に開館し、館内設備の老朽化が進んでいることから、照明器具や映像AV設備及び案内サインの改修を行い、見学環境の改善を行います。
実施理由/背景
戦後80年 これからも特攻の史実を伝え続けるために
知覧特攻平和会館には、戦争を実際に体験した世代や修学旅行の子どもたちなど、毎年約40万人もの方が訪れています。昭和62年の開館以来、特攻の史実を知っていただくことで平和の大切さ、命の尊さを感じていただきたいと、長きに渡って取り組んでいます。しかし、開館から40年近くが経過し、室内の設備の老朽化や度重なる増築によって展示室の配置や見学順路の分かりにくさなど、見学環境改善の必要を感じる状況になってきました。
そこで、令和7年に戦後80年を迎えるこの機に、展示室内の照明器具の配置変更や博物館でも使用されているLED照明機器への更新、館内6ヵ所にある映像コーナーのAV機器の改修、来館された方が見学される際の目安となる案内サインの改修をおこなうことで、繰り返しご来館いただいている方、初めて来館された方々がより見学しやすい環境を整えたいと考えています。
プロジェクト内容説明
館内照明のLED化やAV・音響機器を最新化し、より伝わる展示へ
館内の照明器具の配置を変更することで、見学時の影移りの防止など見学環境の改善を図ります。また、光や温度による展示資料の劣化低減を目的に、国内の博物館等でも使用されているLED照明に器具を更新することで資料の保全、劣化防止を図ります。
館内6ヵ所で上映されている映像コーナーでは、ブラウン管式のモニターが設置されている箇所や、モニターのサイズが小さく多くの方が映像を鑑賞できないコーナーもあることから、各コーナーのAV・音響機器を改修・更新し、資料映像や証言映像をより良い環境で鑑賞いただけるよう整備します。
増築を繰り返すことで分かりづらくなっている館内の展示室の配置や動線ですが、案内サインを増設・更新することで、来館される方が迷うことなく見学しやすい環境を整えます。
目指すところ
戦後80年を機に、来館者へ当時の状況をより良い環境の中で見学いただくことができるように館内の照明等をリニューアルし、特攻の史実を「伝える」はもとより、「伝わる」「感じられる」展示に努めます。
南九州市は、知覧特攻平和会館の運営以外に、「平和へのメッセージ from 知覧 スピーチコンテスト」の開催、知覧特攻慰霊顕彰会による「知覧特攻基地戦没者慰霊祭」を続けています。
戦争を知る世代が記憶を語る時代から、戦争を知らない世代がその記憶を継承しなければならない時代となってきました。
私たちは、先人の立てた誓いを受け継ぎ、繰り返し語り継ぐべきと考えています。
これからも、特攻隊員を追悼し続け、特攻隊員一人ひとりの心情について、思いを巡らし続けようと思います。そして、南九州市を訪れる多くの人々にも、ぜひ一緒に想い、祈っていただきたいと考えています。
寄付の使い道
皆様からいただいたご支援は、館内環境のリニューアルに関わる経費として使わせていただきます。
・展示室内の照明器具の博物館級へのグレードアップ及び完全LED化のための工事費
・映像コーナーのAV・音響設備の改修・更新のための工事費
・館内案内サインの改修・更新のための委託費