プロジェクト14年目の挑戦。 新潟・小須戸の「町屋ラボ」を、世界とつながるアートスペースに!

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プロジェクト14年目の挑戦。 新潟・小須戸の「町屋ラボ」を、世界とつながるアートスペースに!

新潟市・小須戸で14年目となる「小須戸ARTプロジェクト」の拠点「町屋ラボ」。DIYで整備中のこの建物に、アーティストが快適に滞在制作に取り組める設備を整えて、季節を問わずアート活動やイベントを行える場を開きます。

小須戸ARTプロジェクトについて

はじめまして。新潟市小須戸地区で活動している小須戸ARTプロジェクト実行委員会です。

私たちが取り組む「小須戸ARTプロジェクト」は、新潟市で2009年から2018年の間に計4回開催された国際芸術祭「水と土の芸術祭」を契機に始まった地域アートプロジェクトです。

私たちが暮らす小須戸地区は、新潟市中心部から約20㎞離れた信濃川沿いの小さな町(2005年の合併時人口約1万人、現在は9,000人程度)。江戸から明治期にかけて舟運で栄えましたが、鉄道の駅が離れていることもあり、現在は商店の廃業も増え、人口減少や少子高齢化も進んでいます。

 信濃川と小須戸橋

一方で、不便さ故に開発から取り残されたメインストリートには、舟運で栄えた時期に建てられた歴史的な「町屋」が多数残っています。

 小須戸本町通りの町屋の町並み
通りの両側に大型の町屋が連なる、新潟県内でも貴重な町並みです

2007年頃から地域で町屋を活用する動きが始まり、2012年に開催された「水と土の芸術祭」。
そこで、私たちと美術家の南条嘉毅さんとの出会いがありました。

そして、南条さんが作品展示を行った空き町屋「町屋ギャラリー薩摩屋」の活用の一環として、2013年より年に1度、公募で招へいしたアーティストが地域に滞在して作品制作や展示を行う「小須戸ARTプロジェクト」がスタートしました。

南条嘉毅「砂利船」 撮影:風間源一郎 南条 嘉毅「砂利船」 撮影:風間 源一郎

プロジェクトは、アーティストが地域に滞在してリサーチや作品制作に取り組む「アーティスト・イン・レジデンス(Artist in Residence / AIR)」の形式を採り、アーティストはそれぞれの視点で、町屋などの歴史的空間や、織物・花卉栽培などの産業、住民の暮らしや地域特性といった、様々な地域資源に着目し、掘り下げ、アートの形で表現・発信してきました。

これまでに13回開催し、国内外延べ30組以上のアーティストが参加、小須戸本町通り沿いを中心とした10以上の会場で、延べ50近くの作品が制作・展示公開されています。

 これまでに制作・展示された作品の一部

2018年の開催での「水と土の芸術祭」終了後もプロジェクトは独自に継続してきました。現在では公募への応募数も増加傾向にある他、昨年には海外のアーティストが地区内の空き家を購入し、アトリエとしての整備が進んでいます。

 昨年度より整備中のMadhat Kakei氏のアトリエ

このように、少しずつ地域にアートが根付いてきたことが感じられる変化が生まれているのと同時に、主に海外アーティストから有償滞在を希望する問い合わせが増えており、具体的に6月以降に滞在を調整中の案件があります。

こうした動きを具体化させ、プロジェクト開催期間外にもアーティストが地域で活動する…。そうした例を増やしていくためにも、アーティストを受け入れるための拠点整備の必要性を感じています。

 フランス人作家ローレ・ジュリエンさんの制作の様子(2025年)

プロジェクトの拠点「町屋ラボ」の現状と課題

 水と土の芸術祭2018の開催と合わせて公開した「町屋ラボ」

プロジェクトの拠点「町屋ラボ」は、もともとは桶職人の住居で屋号は「桶屋」でした。桶を作った後は菓子の販売、クリーニングの取次を行い、その後2018年まで、約30年ほど空き家となっていました。

 町屋ラボ公開前の作業の様子

2018年に開催したプロジェクトでは、それまで活動の拠点としていた「町屋ギャラリー薩摩屋」に代わるアートに特化した拠点として、この建物の整備・活用に取り組みました。南条さんと地域住民とで清掃・DIYで整え、公開したのです。

 ある程度活用できる状態になった町屋ラボの1階
左上:道路に面した8畳板の間、右上:板の間の奥の8畳和室
左下:アーティストの居室2部屋、右下:中庭周りの空間

2018年は主に1階を手直しして、必要最低限の滞在生活を送ることができる環境を確保しました。

そして2019年には本格的にプロジェクトの拠点として活用を開始し、その後も少しずつ修繕を進めることで、今では夏や冬といった気候の厳しい季節を除けば、イベントでも活用できるようになっています。アートプロジェクトだけでなく、春と秋に開催している「町屋でフリマ」も、多くの来場者で賑わう地域の定番イベントとなっています。