23歳の挑戦 手漉き和紙職人として、書家として、 伝統産業を未来に

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手漉き和紙職人

ページをご覧いただきありがとうございます、大西満王です。

今年の3月に愛媛大学社会共創学部産業イノベーション学科紙産業コースを卒業し、手漉き和紙職人として4月から独立しました。

「手漉き和紙」とは

紙の原料を人の手作業により1枚、1枚、漉いたものです。「流し漉き」と呼ばれる技法で、原料と水が混ざった液を漉桁(すきけた)とそれに挟まれた漉簀(すきす)で汲み上げ、前後左右に揺する動きを、目標とする紙の厚さになるまで繰り返します。紙を漉く工程が人間の動きによってなされたものを手漉き和紙と言います。

 

手漉き和紙は機械抄きの紙に比べると作る時間が多くかかります。時間がかかるということは手間がかかっているということでもあります。

 

その分そこには、人間の思考、すなわち想いが宿っています。一つ一つの作業が人間の瞬間の判断により成り立っており、原料を煮る時間、紙を漉くときの動き、乾燥の時の刷毛の動きなど、その時その時に想いが宿っています。

 

このように、長い時間と作り手の想いが1枚の手漉き和紙となっています。これが最大の魅力だと僕は思っています。特に書道用紙をメインに漉いている僕は、熟考や鍛錬の末に書かれた書作品を同じ手作業により完成した手漉き和紙に書くことで、より作品に深みが出ると考えています。

 

生まれも育ちも愛媛県四国中央市で、「紙のまち」の住人です。高校生の時には、愛媛県立三島高校書道部に所属し、書道パフォーマンス甲子園に出場しました。

手漉き和紙職人
第9回書道パフォーマンス甲子園

 

現在は、手漉き和紙職人を生業としながら、書道もしています。好きな書の古典は「温泉銘」と「西狭頌」です。

 

僕は、手漉き和紙職人を目指すようになってから「天地人」という言葉を強く感じるようになりました。

 

天の時は、四国中央市に手漉き和紙職人さんが2人しかいない、後継者がいないという時です。地の利は、四国中央市は「紙のまち」として紙漉きには最適の地であること、原料から製品の販売までを一括して四国中央市でできることです。人の和は、応援してくださる方が多いということです。

 

手漉きが途絶える時でも、地盤がないと再興は難しいですし、地盤があっても応援してくださる方々がいないと難しいということですが、幸いなことに人の和に恵まれて、多くの方にご協力いただき、四国中央市で手漉き和紙の仕事をすることができています。人の和、このありがたいご縁を大切にしながら取り組んでおります。

 

掲載サイト:https://readyfor.jp/projects/tarafukuwashi