関東労災病院には、7,000件を超える手術を担う現場があります。
しかし、10室の手術室では十分に対応ができていない現状があります。
緊急を要する患者さんを受け入れきれない現実、もっと早く手術を受けたいという声に応えきれないもどかしさ。働く医師やスタッフは、ひたむきに調整を重ねても、どうしてもお断りせざるを得ない状況に直面しています。
高齢化が進み、手術を必要とする人は今後ますます増えていきます。地域の命をつなぐそのために。私たちは「手術室をもう1室」増やすことを決意しました。これは単なる増設ではなく、一人でも多くの患者さんに希望を届けるための決意です。
しかしながら、本プロジェクトは当院だけでは実現ができません。物価高騰などの資金の壁が立ちはだかっています。それでも私たちは、諦めません。地域を支えたいという思いを胸に、クラウドファンディングという新しい挑戦に踏み出します。
「大切な誰かを救いたい」――その思いに、ぜひ力を貸してください。
皆さまのご寄附で、ひとつでも多くの命を未来へつなげたい。
どうぞご協力をお願いいたします。
手術を待つ患者さんのために。手術室の増設を
関東労災病院は、神奈川県川崎市中部地区の高度急性期を担う病院として、二次救急医療をはじめ、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、災害医療拠点病院として、地域医療を支えるためスタッフ一丸となって医療を提供しています。
当院では、年間7,000件の手術を行っておりますが、現在はその全てを10室の手術室で対応を行っています。しかしながら、現状の受け入れ枠の関係で、「早期に手術を希望される患者さんの要望に十分にお応えできていない」、「手術が必要な救急搬送患者さんの受け入れができない」という状況が発生しています。

現在の手術室の運用について
手術を実施するためには、機材準備、麻酔科医等の人材確保、機材の滅菌時間の確保、清掃時間などの事前準備が必要なため、基本的には手術室の枠予約が必須となります。患者さんにおいては、手術を行っても問題ないかどうかの術前検査を実施したのち、手術枠を確保した上での予定入院を原則としています。
予定した手術は、枠の想定どおりに終了するものもあれば、長時間にわたる場合、逆に短時間で終わる場合など様々です。必ずしも予定時間どおりいくわけではありません。実際、患部が癒着しているなどの理由で手術時間を延長するケースがあります。その場合、その後予定されていた手術がすべて後ろにずれるため、他の患者さん、関係スタッフに影響が出ます。
手術枠は、医師が外来の診療も並行して行う関係があり、さらに診療科ごとに手術日(時間、枠)が異なるため、各科の手術枠が限定されています。手術室は10床ありますが、それでも枠が足りないため、外科、整形外科、耳鼻咽喉科などの一部の手術枠の確保において、数か月待ち(長くて5か月先)という状況が発生しております。
●手術枠の現状以上の確保、変更は簡単に行うことはできません。
<スタッフからの声>
過去には、手術を待つ時間がない患者さんを違う病院へ紹介するケースもありました。当院での治療を希望されているのに、そのご要望にお応えできないのは私たちにもとても悔しいことでした。患者さんやご家族の方にとっても、遠方への通院やお見舞いにいかなくてはならないため、負担が大きくなってしまいます。
手術室が使われていない時間が極力ないように、体調急変による手術予約のキャンセルなども含め、手術室師長が中心となって医師等と調整し、できる限りの調整を実施しています。
それでも、救急搬送されてきた急変の患者さんに急遽手術が必要になった場合、手術室の予約状況により、既に予約をしている患者さんの手術時間をずらすなどの対応が求められます。しかし、手術室の予約がいっぱいで、手術予約をずらすことができない場合は、救急患者さんの受け入れをお断りせざるを得ないこともあります。
実際、骨折患者さんなど、比較的急を要する手術も数日待機いただかざるを得ない状況も発生しています。骨折手術の待機患者さんが多い場合は、骨折が疑われる患者さんの救急要請を断らざるを得ない場合も生じています。
手術室を1室増やすことができれば、上記の状況を少しでも改善できます。
より早い時期に手術を希望する患者さんのご要望にお応えすること、救急患者さんを受け入れ件数を増やしていくことができれば、地域医療への貢献にも繋がると考えています。