東京藝術大学作品・大阪アジアン映画祭上映予定の モンゴル短編映画「黄砂鎮」の制作支援を!

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黄砂鎮

内モンゴルの大草原を舞台に、一人の少女と中年女性の人生が交差するドッグレースの物語。東京藝術大学制作、大阪アジアン映画祭上映予定の短編映画「黄砂鎮」への制作資金募集にご協力をお願い致します。

【最初に】

この度、東京藝術大学映像研究科の公式制作作品として、短編映画『黄砂鎮』を中国・内モンゴル・オルドスで撮影することとなりました。本作は 公益財団法人芳泉財団の助成を受け、映画プロデューサー市山尚三氏の監修のもと制作されており、2027年春の大阪アジアン映画祭での上映が予定している作品です。

しかし現在、想定外の自然災害による宿泊費の追加支出や、美術費の追加予算、またクオリティの高い作品を仕上げるためのポストプロダクション費用など、計 500万円の資金不足が生じております。

内モンゴルの雄大な自然を舞台に、女性の生きざまを詩的に描くこの作品を、何としても完成させて世界に届けたい。どうか、皆様の温かいご支援を賜りたく、謹んでお願い申し上げます。

【監督のご挨拶】

はじめまして。監督のOnggud Seina(オングド・セイナ)と申します。

東京に生まれ、モンゴル族として、中国と日本という二つの文化の狭間で育ちました。子どもの頃から、私はいつも「自分はどこに属するのだろう」という問いを抱えていました。

「日本に生きるモンゴル人」としての私。

「中国に生きるモンゴル族」としての私。

あるいは、時に「周縁に立たされる少数民族の女性」としての私。

それぞれの立場がもたらす文化的アイデンティティへの不安、そしてそれでもなお自分らしさを見出そうともがく葛藤。そんな複雑な思いを、いつか作品にしたいと願ってきました。

本作『黄砂鎮』は、そんな私の原体験から生まれた物語です。

風のように、肌で感じるけれど、なかなか辿り着けない故郷への想い。

近代化の波に流されつつある、どこか懐かしい、子供の頃に見た昔の風景。

故郷にいるのに、ふとした瞬間に感じる喪失感。

自然を崇拝するモンゴル独特の精神世界と、そこで生きる人々の夢と現実を、悠長で詩的な映像で皆様にお届けしたいと思います。

この作品は、私自身のルーツへの問いかけであり、同じように複数の文化の間で生きる人々へのエールでもあります。どうか、この心の旅路に、皆様の温かいご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

監督
Onggud Seina(オングド・セイナ)

【プロフィール】

◆監督:Onggud Seina(オングド・セイナ)

1995年東京生まれのモンゴル族映像作家。武蔵野美術大学映像学科卒業後、パリ国立高等美術学校に留学を経て、東京藝術大学映像研究科で修士号を取得。現在は同大学院博士課程に在籍中。監督作品は、周縁地域に生きる人々のアイデンティティの不安や主体性の探求、そしてモンゴル族として中国と日本で育った自身の体験に基づく文化的交錯を、女性の視点から考察することを特徴としている。

◆プロデューサー:張若男

1995年中国・青島生まれ。明治学院大学で映画批評・日本映画史を学んだ後、東京藝術大学大学院映像研究科で桝井省志・市山尚三氏に師事。学生作品は大阪アジア映画祭に出品され、実践的なプロデュース力を培う。修了後はNetflixやDisney+など配信作品や独立映画に携わり、商業とインディペンデントの両面で経験を重ねる。現在はゲームイベント運営会社に所属し、映画制作の知見を活かしてエンタメ領域で企画・国際交流を推進している。

◆撮影:李佩原

東京と上海を拠点に活動する撮影監督。母語は中国語(マンダリン)で、英語と日本語も堪能。コロンビア・カレッジ・シカゴおよび東京藝術大学大学院を修了。これまでの作品は数々の映画祭で評価され、プラハ国際映画祭で最優秀撮影賞、ニューヨーク・ショーティ映画祭で最優秀作品賞などを受賞している。

◆監修:市山尚三

国際的に活躍する映画プロデューサー。これまでに侯孝賢、賈樟柯、是枝裕和、アピチャッポン・ウィーラセタクンなど、アジアを代表する監督たちの作品を多数プロデュース。東京国際映画祭や山形国際ドキュメンタリー映画祭のプログラマーも歴任し、アジア映画の国際的な普及に尽力している。

【あらすじ】

内モンゴル西部の果てしない草原。一台のタクシーが沼地に嵌り、動けなくなってしまった。車内には、無口な運転手と、どこか危険な魅力をたたえた少女がいた。

焚き火を囲み、夜が更けるにつれて、少女は静かに語り始める。寂れた炭鉱町で、野ウサギを密猟し、違法なドックレース業者に売って生計を立てる日々。社会の抑圧と家庭の冷たさから、必死に逃れようとした青春。

やがて、語り手の少女の姿は、どこか哀しげな中年女性へと変容する。彼女は犬の飼育場を営み、自らも盗みを働いた少女を追い詰め、死へと導いた過去を告白する。しかしその過程で、彼女は忘れかけていた自分自身の青春と純真さに向き合うことになる。

夜明け、二人は木の下で白い袋を掘り当てる。それは少女の遺体のはずだった。しかし袋を開くと、そこから一匹の野ウサギが飛び出し、草原の奥へと消えていった。

 

 

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