本プロジェクトは、物語性を帯びた写真と、そこに紐づく小説・映像・音楽で構成されるインスタレーション展示「やがて灼かれて光るもの」を実現するための、制作支援クラウドファンディングです。
この物語のあらすじ
耳の聞こえない少女と、妹を事故で失った男。
異なる孤独さを持ったふたりが出会う。
少女は家庭内の放置により、言葉のない世界で生きていた。
男は妹を失ってから、生きる意味を見失っていた。
共通の「ことば」を持たないこのふたりが、【誘拐】という出来事をきっかけに、心を通わせていく。やがて、男の部屋は少女にとって唯一「息ができる場所」となっていく。
なぜこの物語を描いたのか
私はこの物語を展示というかたちで伝えようと思った訳
四ノ宮勇魚として、これまで私は「写真と言葉」で物語を紡ぐような活動をしてきました。
海辺に佇む少女たち、光と影の中に浮かぶ記憶、傷を抱えながらも前を向こうとする人の姿
──それらを静かに写し取り、本や展示というかたちで発表してきました。
これまでの活動例
光と傷跡・少女性をフィルムで撮影した写真で表現し公開した初個展《真昼を泳ぐ魚たち》をはじめ、翌年には《溺れる鱗》を開催し、大きな反響がありました。
今回の展示の着想源
2022年、私は大学の一般教養で手話の授業を選択していました。またその年放送された、中途失聴の男性を主人公に据えたドラマ「silent」は、大きな話題となりました。
その頃から耳の聞こえない少女を主人公とした物語を紡ぎたいと思うようになり、当事者の方からお話を伺うことがありました。
2人のキャラクターと自分との共通点
耳が聴こえないということとは異なりますが、私自身が負っている病があり、自分の世界と外の世界が隔絶されている、うまく伝わらないと感じることが多く、コミュニケーションを取ることをしばしば諦めてしまう場面がありました。
そんな私に手を差し伸べてくれた友人たちは、様々な方法でその壁を取り払ってくれました。その姿が今回の男のキャラクターに反映されています。
今までの作品でも、こころの傷跡に焦点を当てて描くことが多かったですが、今回の作品ではさらにその先、傷跡を愛おしむことを描きたいと思いました。
そして、もし、何かの事情で世界に踏み出せない人がいたら、そっと一歩を踏み出せる物語を描きたいと考えるようになりました。
大きな傷を抱えたもの同士の関わり合いが優しいことを、私は知っています。
「ただしさ」「執着」「罪と赦し」…
それらを考えたとき、この少女の身に起きたことをもう一度考えられるように、物語を構成しています。
プロジェクト概要
写真や映像は、言葉よりも直感的に「感情」を伝えることができます。映像では台詞ではなく音楽を使用し、耳の聞こえない少女と同じように、「声ではない方法」で語りかけるような展示空間を目指しています。
制作チームのメンバー
【キャスト】
美南宏樹 《妹を失った男 役》
日南 《耳の聞こえない少女 役》
神野剛志《牧師役》
【脚本・スチール撮影・監督】
四ノ宮 勇魚
過去に個展『溺れる鱗』『真昼を泳ぐ魚たち』を開催。
物語性のあるインスタレーション的な写真展として大きな話題を集めた。
【映像撮影・編集】
宮原恒輝
恵泉
渡部千鶴
【音楽】
wagataki
【手話監修】
栗田一歩
いただいた資金の用途について
写真集(印刷・製本)22万円
小説ZINE(印刷・製本)1.3万円
スタジオ等レンタル費 3万円
リターン品(DVDなど)制作 2万円
映画館レンタル費 4.7万円
ポストカード・ポスター・DM印刷費 2万円
人件費 20万円
ギャラリーレンタル費 3万円
展示品製作費 5万円
クラウドファンディング手数料 7万円