創業から4年間、シェアキッチンでの小規模製造を続けてきた CACAOVIBES が、インドネシアからの高品質カカオの輸入と、阿佐ヶ谷で店舗のオープンにチャレンジします!
はじめまして。CACAOVIBES(カカオバイブス)代表の中澤裕子です。
CACAOVIBESは、東京を拠点とする、まだ小さなビーントゥーバーチョコレートブランドです。
カカオ豆(Bean)からチョコレート(Chocolate Bar)を作っています。
創業から4年間、シェアキッチンでの小規模製造を続けてきましたが、この度、インドネシアの高品質なカカオの輸入と、製造拠点となる工房を備えた店舗をオープンします。
キャリアの転機とチョコ作りへの目覚め
私は広島県で生まれ、一橋大学に進学しました。大学院では、国内外1000社以上の企業を訪問し、中小企業経営と地域産業振興の研究に従事しました。しかし、結婚と第一子の出産を機に、保育園の待機児童問題や夫の転勤に伴う環境の変化があり、研究者としてのキャリアを断念せざるを得ませんでした。
今は兄が中学生、妹が小学生になりました。
専業主婦期間を経て、災害復興支援団体に正社員として就職しました。しかし 子育てをしながらのキャリア形成に、当時は夫をはじめ社会的な理解を得ることが難しく、大きな葛藤を抱えての日々でした。そのような中、バレンタイン催事の爆買いと、会社近くのチョコレート専門店通いが、辛い日々を乗り越えるためのエネルギー源となりました。
体力的に限界を迎えたころ、高校の友人に末期がんが見つかり、3人の子を残して旅立ってしまいました。
闘病中の彼女と時間を共にし、 心身に無理をしていないか、自分の心に蓋をしていないか、命の時間は限られていると改めて考えるようになりました。彼女は管理栄養士で、農家レストランを開くという夢がありました。そして私は研究職のほかにもうひとつ、食分野、特に菓子製造に強い関心があったことを思い出しました。
台所から始まる挑戦
その頃、アメリカ発のビーントゥーバーショップ『Dandelion Chocolate(ダンデライオン・チョコレート)』が日本1号店をオープン。カカオ豆からチョコレートを作るワークショップに参加すると自分でも作ってみたくなり、 すぐに教えていただいたマシンと道具一式を購入しました。
スタート時に購入した最低限の道具。左から、メランジャー、表面温度計、ヘラ、型。メランジャーでカカオをすり潰してチョコレートを作っていく
簡単そうに見えたカカオ豆からのチョコづくりでしたが、メランジャーはすぐに壊れ、温度や湿度の管理は想像以上に複雑。到底食べられるものではありませんでした。それでも諦めず 、国内外の文献やウェブサイトを読み漁って改善を重ね、数年後やっと自分の理想に近い味と香りを持つチョコレートができたときの喜びは、今でも忘れることができません。「このチョコレートをもっと多くの人に届けたい」という想いが強く芽生えました。
始めた頃→1年後→2年後。少しずつ形になっていきました