▼自己紹介
2011年3月11日、東日本大震災発災。中越地震に学び、震災3日後に駆けつけたすぎとSOHOクラブ、阪神淡路の経験を活かし、震災当時2500団体を束ねていたNPO埼玉ネット、震災直後から避難者を受け入れた埼玉県杉戸町、全町避難を余儀なくされ、平成30年の帰町を目指す福島県富岡町、震災の翌年に帰還宣言を行い、復興の先頭に立つ福島県川内村、この5者で構成された協議会が主催となり開催しています。
平成25年度国土交通省広域的地域間共助推進事業としてスタートした「協働型災害訓練in杉戸」。東日本大震災で多くの経験と教訓を得た私たち。その私たちが次にすべきは来るべき大規模災害に備えること。年に一度でもこの場所で顔を合わせ、時間と想いを共有し、「普段づきあい」のできる「顔見知り」になることが大切だと思っています。天童さんの記事にもある通り、「つながることは備えること」だと考えています。
「協働型災害訓練」のもう一つのテーマが「ICS(アイシーエス(インシデント・コマンド・システムの略)」。ICSは1970年代に米国の大規模な山火事に対応するために考えられました。 指揮命令系統を一元化し、対処すべき役割と部隊を明確にして、刻一刻と変化する災害に対応するのが、このICSです。米国の消防士は必ずこのICSを学ばねばなりません。だからこそ、多くの人が集まってもどんな災害にでも対応できるのです。 そして、行政が動き出すまでには必ずタイムラグがあります。それは法律を遵守し、公共の守護神である組織の宿命です。だからこそ、市民やサードセクターの私たちが初動対応することが、動き出した行政に的確にバトンタッチすることが重要なのです。だからこそ、私たちは震災で活躍したNPOを中心に、このICSのリーダー研修をはじめました。
▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ
「協働型災害訓練in杉戸」を2014年から毎年2月に開催し、今年で10回目を迎えます。節目でもある今回は原点回帰の意味も込めて「フェーズフリー」をテーマに開催します。災害は、地震や風水害に留まらず、パンデミックなどあらゆる形で私たちの周りに存在しています。そんな今や日常になっている災害を非日常の出来事とは考えず、連続性のある日常の延長として捉える、それが「フェーズフリー」です。
また、2020年の協働型災害訓練では「ウィメンズレジリエンス(女性目線の防災)」、2021年では「ペットニーズを学ぶ」をテーマに開催し、より広範囲の視点での災害支援を考えてきました。今回はLGBTQなど性的マイノリティーの視点での災害支援を考える機会にしたいと思い、本
プロジェクトを立ち上げました。
▼プロジェクトの内容
今回の第10回「協働型災害訓練in杉戸」では、災害を非日常の出来事とは考えず、連続性のある日常の延長として捉える「フェーズフリー」の観点から、様々なセクターとの共同企画で開催したいと考えています。
【行政と防災】東京大学生産技術研究所附属災害対策トレーニングセンター(DMTC)との共同企画
【食糧と防災】特定非営利活動法人フードバンク埼玉との共同企画
【企業と防災】埼玉県災害ボランティア団体ネットワーク彩の国会議xヤフー株式会社xJVOADとの共同企画
【地域と防災】社会医療法人JMA東埼玉総合病院との共同企画
【団体と防災】災害支援団体ネットワークコミュニティ財団設立準備会との共同企画
【映画と防災】彩の国市民映画祭実行委員会との共同企画
【協働と防災】立正大学x市民キャビネット災害支援部会との共同企画
そして、今回の要として、
【LGBTQと防災】クラウドファンディングとの連動企画
を行いたいと思っています。
①LGBTQの目線で考える災害リスクの理解の講演
②LGBTQの目線で考える次世代災害支援ワークショップ
③LGBTQの目線で考える次世代災害支援ガイドラインの策定
▼プロジェクトの展望・ビジョン
今回のプロジェクトのテーマは「phasefree(フェーズフリー)日常から繋がる防災を考える」。そして要は「LGBTQの目線で考える次世代災害支援」。「協働型災害訓練in杉戸」では、LGBTQの目線で考える災害リスクの理解の講演・LGBTQの目線で考える次世代災害支援シンポジウム・
LGBTQの目線で考える次世代災害支援ワークショップを実施し、これらの議論を基にさらにオンラインワークショップを開催し、LGBTQの目線で考える次世代災害支援ガイドラインの策定を目指します。また、策定したガイドラインは後日プレスリリースを行い、「LGBTQの目線で考える次世代災害支援」として広く周知を図り、より広範囲の視点での災害支援を考える社会的機運を醸成したいと思います。
参加する皆さんが様々な目線での災害支援を学び、地域に持ち帰ることで、その知識や考え方が広く浸透し、来るべき大規模災害時、集った皆がこれらを知っていれば、より効率的な組織運営で災害に対処でき、たくさんの命を救うことにつながると考えます。
災害が起きた時に「ああ、大変そうだな」と何処か他人事として捉えるのではなく、「大変だ!あの人どうしただろう?」と自分にとって身近なこととして捉えることこそが、何にも代えがたい力を発揮し、手を差し伸べる力になると信じて展開を行って参ります。
皆さんからのご支援どうぞよろしくお願い致します!!
※プロジェクト成立後、天災等やむを得ない事情(緊急事態宣言などコロナウイルスによる影響を含む)により イベントが開催できなかった場合は 延期となります。予めご了承ください。