四国のツキノワグマ最後の生息地!那賀町からの挑戦

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四国のツキノワグマ最後の生息地!那賀町からの挑戦

県下最長の一級河川「那賀川」の源流から中流域に位置し、西日本第二の高峰剣山がそびえる那賀町。「まち、丸ごと大自然テーマパーク」をブランドコンセプトとする本町では、ツキノワグマをはじめとした奥山の貴重な生物多様性を守りつつ、自然環境を活かした産業振興のための事業を開始し、自然環境と調和した町づくりの基盤を構築します。

実施理由/背景

地域の未来を見据えた生物多様性の回復と産業振興

本町は森林率95%を誇り、豊かな森林や水資源は地域の暮らし・文化を支え、歴史的にも地域産業の基盤となってきました。奥山には四国全域で減少した自然林が今も豊富に残り、その豊かな自然の“あかし”として、四国では絶滅の危機にあるツキノワグマの最後の生息地にもなっています。

かつては四国の森に広く生息していたツキノワグマですが、人との軋轢の中で四国の大部分から姿を消し、現在では、本町や周辺にわずか26頭程度しか確認されていません(2024年度の調査より)。四国の個体群は本州と異なる特異的な遺伝子を持ち、また、世界で最も小さな島に生息するツキノワグマとして貴重な存在です。

一方で、放置された人工林やニホンジカの過増加により森林生態系への影響は深刻化しており、生息地の生物多様性の回復が急務となっています。また、ツキノワグマの生息地である以上、人との軋轢防除の体制整備が不可欠です。

そこで今回、森林生態系を象徴するツキノワグマをはじめとする生物多様性を保全しながら、地域産業と交流人口の創出にもつなげる「自然資本を核としたネイチャーポジティブ(自然再興)な地域づくり」の推進を目指した事業を開始します。

プロジェクト内容説明

那賀町の自然とクマを未来へつなぐ地域づくり

徳島県那賀町の貴重な自然を守りながら、地域産業を元気にする「ネイチャーポジティブ」な取組を開始します。
事業の柱は三つ。
(1)人とツキノワグマの共存を目指し、「しこくまワークショップ*1」を開催して科学的な保全計画をつくる。
近年、本州・北海道で、クマ類による人身被害等が増えていることを踏まえて、町民が懸念する人とクマの軋轢の未然防止に資する保全計画が必要です。
(2)那賀町の町有林を「自然共生サイト*2」に登録し、広葉樹林化を進め生物多様性を回復。
町有林は2000ha以上あり、そのうちクマの生息地であり、林業にも適さない標高1000m以上の場所で、ブナ・ミズナラ等の広葉樹の森林を回復することによって、クマを高標高域に留めて、クマと人の生活圏の棲み分けを推進します。また、この取組を本町で育てられた地域ブランド材「木頭杉」の価値向上に繋げます。
(3)「木頭クマまつり*3」やエコツーリズムを推進し、自然を活かした地域産業を振興。
剣山系や那賀川の豊かな自然環境と、クマのキャラクター性、(1)(2)の生物多様性回復の事業を活かし、催事の開催や、商品開発・エコツアーを展開していきます。

 

*1「しこくまワークショップ」とは?
IUCN(国際自然保護連合)が開発した国際ワークショップ(以下、WS)です。このWSは、IUCNが全世界1000人以上の専門家を集めて開発した、絶滅危惧種の保全と人の暮らしを両立する計画の策定手法です。国内ではヤンバルクイナやツシマヤマネコ等、海外ではライオン等を対象として実施した実績があります。このWSの特徴は、科学的根拠を重視する点と、地域住民の意見を丁寧に把握することです。今回、那賀町で開催するWSを「しこくまワークショップ」と名付けて、令和8年1月下旬に4日間開催します。IUCNの専門家、日本のクマや森林の専門家、徳島・高知県内の行政機関、林業関係者、猟友会等、総勢約50名以上に那賀町に集まって頂いて計画をつくります。

*2「自然共生サイト」とは?
自然保護区の一つで、環境省が「生物多様性の保全が図られている区域」として認定するもの。

*3「木頭クマまつり」とは?
2022年から、那賀町木頭地区で毎年開催している、300名以上が集まるお祭り。剣山系や那賀町から多数の出店があり、クマや自然を、楽しみながら学ぶ企画。

 

https://camp-fire.jp/projects/906252/view