パソコン一つで旅しながら仕事をするデジタルノマドという人たちと、地域コミュニティの共生を目指します。彼らが地域で暮らすように滞在するために必要な拠点「コリビングハウス(中長期滞在宿)」を、空き家を活用して立ち上げます。
Here is the English website.
どうやら最近、この島にも「パソコンひとつで働きながら旅している”ノマド?”と言われる外国人」が来ているらしい。
正直、最初は「なんでこんな何もない島にわざわざ?」と不思議に思っていた。
家の近くにできた新しい宿に、もう一ヶ月も滞在しているそうな。夕方の散歩でよく見かけるし、島のスーパーで買い物している姿も目にする。
彼らには、英語が達者で何かとお世話をしている若者の”トミー”という世話人にような人が友達のようによく一緒にいる。
漁師仲間から、「あそこの宿でご飯会があるから一緒に行こうや」と誘われた。どうやら自分の国の料理を振る舞ってくれるそう。せっかくなのでお返しに、と港で獲れた牡蠣を抱えて宿を訪ねてみた。
焼き牡蠣を囲みながら、そこに滞在している”リオ”という外国人の青年が英語でこう言った。
「In my country, oysters are small and salty. But this one… it’s the best I’ve ever had!」
なんて言っているかわからんが、とりあえず褒めてくれたんじゃろうことはわかった。
この時のためと覚えたスマホの翻訳機を出そうとしたが時すでに遅し。
「今まで食べた牡蠣で一番うまいって言ってくれてますよ。リオの生まれ故郷のオランダにも牡蠣はあるそうなんですが、ここまで大きくないしとにかく美味いってベタ褒めです。」
トミーくんが間に入って会話を広げてくれた。
江田島の牡蠣をそんなに美味しいと言って食べてくれているのか。
「そうじゃろそうじゃろ!ここの海で育ったんじゃけえ、うまいに決まっとる。」
そう言うと、トミーくんがリオくんに伝える前に、ワシの広島弁がなぜか伝わったのかそこにいた外国人全員が笑った。
気づけば近所の子どもたちも集まり、庭先では小さな祭りのような賑わいになっていた。
遠い国から来たはずの彼らと、いつの間にか家族のように話を交わし、同じ時間を楽しんでいた。
「なんでわざわざこんななんもない島来るんじゃろ」と思っていたこの島に、こんなにも人を惹きつける魅力があったなんて。
江田島って、思ってた以上にすごい場所なんじゃろうか。
世界中からパソコン一つで仕事しながら旅をする人たちが江田島という広島瀬戸内に浮かぶ島に数ヶ月滞在しながら、地域と溶け込み、その体験を素晴らしいと褒めてくれて、世界中に発信してくれたら。
地域住民にとっても、その地域に住みながら彼らとの橋渡しをしてくれる、ローカルコミュニティマネージャーという頼れる存在がいたら。
訪問する外国人が暮らすように滞在することで地域の一員になり、彼らと地域住民が素晴らしい経験を共有する世界を。
想いが溢れて、10,000文字とかなり長い文章になっているので、もし文字読むの苦手だよという方は動画でもプロジェクトについて説明しています。ぜひご覧ください。*10分ほどの動画です。
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はじめまして。
広島県江田島市で映像制作や外国人向けツアーガイドなど、パラレルな働き方をしている島暮らしクリエイターの水口智博です。
2022年に、生まれ育った大阪から、祖父の生まれ故郷である江田島に移住しました。
「トミー」というニックネームでぜひ覚えてやってください!
これまで瀬戸内の魅力を発信する映像制作や、外国人向け平和・歴史ガイド、地域イベントを多数企画してきました。
このたび、人口減少と空き家の増加が深刻化する江田島市で、デジタルノマドと言われる場所にとらわれない働き方をしている人たちを誘致したいという想いで、彼らを受け入れるプロジェクトを立ち上げます。
このプロジェクトを通じて、江田島という地域に外から、特に海外からの人の流れを生み出し、多文化共生と地域活性化の循環を作りたいと思っています。
応援いただけると嬉しいです。
*そもそもなぜトミーが江田島に移住したのかはここでは割愛しますが、もし興味がある人がいましたらこちらの自主制作したドキュメンタリーをご覧ください。