市民参加型の映画制作プロジェクト「ふくいムービーハッカソン2025」ならびに、福井出身の俳優・津田寛治さんを審査委員長に迎える「第10回福井駅前短編映画祭 supported by 天晴データネット」を実施します。
自己紹介
こんにちは!
私は「ふくいまちなかムービープロジェクト」主宰の宮田耕輔と申します。「福井のまちづくり」をライフワークに、地域情報誌の編集の仕事を25年務めてきました。その間にもボクサーパンツ専門店、長坂真護ギャラリー、シェアオフィスを、エキマエの小さな商店街「新栄商店街」で展開してきました。
そして映画に関わったのは今から13年前のこと。2012年に福井市のアートイベント「ふくい夢アート」にて、福井出身の俳優・津田寛治さんをお呼びして、映画制作をすることになったのです。当時はまだ言葉さえなかったクラウドファンディングをアナログで行ない、資金を集め、『カタラズのまちで』が完成します。
この作品は後に『ショートショートフィルムフェスティバル』にてグランプリノミネートされるなど、何をしていいかわからない中プロデューサーという役割をいただき、関わってきたことで、映画制作を通じて福井が発信されることを実感しました。
福井で映画を制作して10年
その後、2015年「ふくい夢アート」にて「福井駅前短編映画祭」を開催することになり、こちらにも深く関わることとなります。記念すべき第1回目のことです。実は「福井駅前短編映画祭」は単発イベントとして、現在プログラムディレクターを務める木川剛志くんが行なっていましたが、大きな形として開催するのは2015年が初めてでした。初年度の際、審査委員長である津田寛治さんがこんな一言を投げかけました。
「みんなでヨーイドンで撮影して、それを上映できたら面白いね」
この一言をどう実現するか考えました。この街では映画を撮る、ということが非現実のものであったからです。そこで、興味のある人たちを募集してやってみようとスタートしたのが「ふくいムービーハッカソン」です。全員市民で仕事もあるので連休の3日間ですべて撮影を終わらせることとしました。
2016年から開始して、コロナで2020年は長編映画を撮影しましたが、毎年のように短編映画を撮り続けてきました。延べ20本を市民参加型で作り、その中の作品は国内外の映画祭にノミネートなどもされました。
映画と街の親和性
「ふくいムービーハッカソン」、「福井駅前短編映画祭」を開催し続けて感じることがあります。それは
「福井は映画との親和性が高い」
ということです。福井には福井県単独の伝統工芸品が7つあり、そのうちの2つは歴史が1500年という途方もないもの。つまり“ものづくり”という点において、福井の人はとても集中して作り上げる性格、つまり「職人気質」な風土なのです。ムービーハッカソンは3日間で作品を撮り終えるというものなので、参加される方々の集中度は目を見張るものがあります。
また、福井県は「一般財団法人日本総合研究所」が発表する「全47都道府県幸福度ランキング」で6回連続して総合1位となっています。が、それを分野別でみると、文化分野が格段に低い結果(2024年版37位)が表われています。しかし、文化分野をさらに細かく見ていくと、唯一「7位」となっている項目があります。それが「人口当たりの常設映画館数」なのです。福井の人は映画をよく観る傾向にあるのです。
加えてシネコンと地元資本の一般館のスクリーン数比率が全国では9:1くらいなのに、福井だけは7:3と地元資本が気を吐いている状況で、さらにその3割分のスクリーンはすべて、福井駅前にあるのです。福井では「映画を観る」≒「福井駅前」という意識があるのです。そういった意識があるからこそ、「福井駅前短編映画祭」が福井駅前で実施する意味があると思っています。