はじめに
ご覧いただきありがとうございます。
私たちNetshegetse Ke Go Tshegetse Organizationは、アフリカ南部の国、ボツワナのマハラぺ(Mahalapye)という地域に拠点を置く小さなNGOです。(ンツェへツェ・ケ・ホ・ツェヘーツェと読みます。英訳すると、Hold me, so that I hold you=Support me, so that I can support youという意味です。)
2019年に創設され、団体責任者1名とボランティア2名という小規模ながら、地域の子どもたちと高齢者の生活支援を軸に運営されています。近所の学校や病院、行政と協力し、子ども達の放課後学習支援、高齢者宅への定期訪問、中退や退学となった児童の自立支援など多岐にわたるプロジェクトを実施しています。
私は今回のプロジェクトを担当するMpho(ンポ)と申します。この度、JICA青年海外協力隊2024年度1次隊という立場で、当団体のソーシャルワーカーとして着任いたしました。Mphoという名前は現地の言葉であるツワナ語で”ギフト”という意味だそうです。2年間という限られた任期のなかで現地の方々と共に暮らし、団体の更なる発展に寄与していきます。
渡航から3か月が経過し、現地の生活にも慣れてきた一方で、この街の抱える課題も少しずつ見えてきました。特に深刻な問題は未成年者の望まない妊娠や薬物依存、飲酒が原因で退学する青少年が少なくないことです。背景には両親も若年で養育力が足りていないことや、高い失業率などが影響しています。また、仕事を求めて家族が都市部に移り住むことで、車の運転が自力では難しくなってしまった高齢者は外出機会が減ってしまい、地域社会から孤立してしまっている事例も増加傾向にあります。
ボツワナはダイヤモンドの産地として知られておりアフリカ諸国の中では比較的豊かな国として位置づけられていますが、社会福祉制度はいまだ発展途上であり、こうした課題に対する民間のNGOに期待される役割は非常に大きい状況にあります。多様で複雑なニーズにきめ細やかに対応していきながら、団体の安定した運営を継続させていくためには地域の交流拠点として充分に機能していくことと、それを支える資金調達先の多角化が不可欠です。我々の活動をより多くの地域住民に知ってもらい、世代間の助け合いを促しながら支援を充実させていくことで力になれるのではと考え、今回のプロジェクトを思い立ちました。
課題が山積みなことは事実ですが、活動をしている中で多くの可能性もみえてきています。同じマハラぺを拠点とする障がい者支援のNGOやエイズ患者支援のNGOなど他の機関との連携にも力を入れており、行政の支援が届きにくいからこそ自分たちで工夫しなければというやる気に満ちています。異なるバックグラウンドを持っていても、同じゴールを目指して互いに協力していけると思わせてくれた人々との出会いに心から感謝するとともに、そんな彼らを見ていて私も思いつく限りのことに挑戦したいと思うようになりました。
支援とは何なのか、やっている事は正しいことか、常に自問自答の日々ではありますが、自分なりの国際協力の形を模索しながら地域の発展に貢献していきたいと考えています。そして、このプロジェクトはボツワナと日本をつなぐひとつのきっかけにもなれると信じています。
今よりも少しでも明るい未来のために皆様のお力をお借りしたいと思います。
このプロジェクトで実現したいこと
本プロジェクトは団体の拠点となるセンターのキッチンに新たにオーブンを設置することで次の3つの活動に挑戦します。
①地域の子ども達と高齢者の交流機会となる料理教室の開催
②日本食炊き出しの実施
③焼き菓子の販売を通じて、運営資金調達の手段を多角化
これらを通じて団体をより大きくすることで、地域支援のさらなる充実をめざします。