私は安井裕貴と申します。普段は”ナースマンはなまる”というペンネームで活動しています。広島県在住で年齢は40代前半です。これまで看護師を10年間してきました。妻と子どもが2人の4人家族です。
双極症とは以前、「躁(そう)うつ病」と呼ばれていました。最近では芸能人が公表するなどして、少しずつ認知度は高まっていると感じます。100人に1人がなる病と言われています。
健康な人は気分が高くなっても、問題行動を起こす程のハイテンションにはならないと思いますし、落ち込んだとしても少し時間がたてば気分は元通りになると思います。気分のムラは健康な人でもあると思うのですが、双極症の場合、気分がハイになり過ぎたり(躁状態)、落ち込み過ぎたり(うつ状態)を繰り返すという特徴があります。
その気分の波を整えるために、薬の内服や生活を整えるなどの様々な工夫が必要です。
生活を整えることで、例えばどんな事があるか?具体的な例を2つご紹介します。
まず一番大切なのは、生活リズムを整えることです。病院で看護師をしていた私は夜勤もあり、不規則な生活を続けて気分が不安定となり、最終的にうつ状態になるということを繰り返しました。不規則な生活を続けると、いつかうつになるんだろうと分かっているにも関わらず、当時の私は看護師としての責任を果たすため、家族を守るために、その不規則な生活を続けなければならないと思っていました。
ですが、やはり私の体はそれに耐えられませんでした。
次に、アルコールを控えることも大切なことです。薬を内服していますので、薬の効果を得るためには薬の血中濃度を常に一定に保たなければならないのですが、お酒を飲むとアルコールにより血中濃度が乱れてしまい、薬による適切な効果を得ることができなくなってしまうのです。仕事のストレスなどでアルコール中毒のような状態だった私が、お酒を止めるのは本当に大変なことでした。
双極症による気分の波を抑えるのは、本当に難しいことだなと感じました。
私は長い間、病気をコントロールできずに仕事を思うように続けることができませんでした。自分が精神疾患になってしまったという不安や戸惑い、後ろめたさをずっと感じながら生きてきたのです。
「一身上の都合にして退職して下さい」と、病気を理由に退職を迫られたこともあり、その時は本当につらい想いをしました。