「また来ます。」
お客様からの言葉に、ほっと温かい気持ちになる。
何もないところだと思い一度は出た故郷が、今ではとても大切な場所だ。
風土が人を育てるというけれど、まさに僕の人となりは因島という地によって育まれた。
柑橘畑の広がる風景、ゆっくりと流れる海、おだやかで温かい島の人。
この島に訪れる人の心を惹きつけるもの。
因島の日常そのものが、誰かにとって特別なものとなる。
因島に帰って来て4年という月日が経った。
相変わらず、当時の純粋な想いは消えていない。
あの頃思い描いた未来にはまだまだ届いていないけれど、
これからも歩みを止めずに、一歩ずつ。
数ある旅行先の中からわざわざ因島を選んでくださる皆さまに、思い出に残る滞在を。
そんな気持ちで日々ご宿泊のお客様をおもてなししています。
2年前にも現在のHUB INNのオープンに向けてクラウドファンディングをさせていただきました。
多くのご支援のおかげで因島にHUB INNをオープンできたことに心より感謝申し上げます。
現在はHUB INNの業務全般を一人で行いながら、同じく土生商店街にある空き物件を新しくお借りして宿泊施設としてオープンするために準備中です。
空き店舗が増えた商店街に、少しでも活気を取り戻したい
現在のHUB INNがある場所、そして新しくお借りした物件がある土生商店街。
ここには昔ながらの酒屋さんやお魚屋さん、飲食店が立ち並びます。
しかし、他の地域に広大なショッピングモールができた影響も大きく、車が入らない、駐車場がない土生商店街からはだんだんと人が消えていき、住宅密集地の商店街には新しく住居を構えるファミリーも少なく、住民の高齢化とともに少しずつ活気も失われていきました。
近年では商店街には空き店舗が増え、何年も放置されている物件が目立ちます。
日曜日の午後、商店街を端から端まで自転車で走った時、
誰一人ともすれ違わなかったことがありました。
島の出身者として、この現状にとても危機感を持ったことを覚えています。
空き店舗が増え、建物が廃れていっている土生商店街を、少しでも人が来てくれる場所にしたいというのがプロジェクトを始めたきっかけです。
小さな規模かもしれませんが、小さなことの積み重ねで未来が作られていくと思います。
まずは自分自身がリスクを取り小さな成功を重ねることで、
「松本ができるんなら自分も何かやってみようかな」そんなきっかけ作りにしたいです。