独自の視点で、多彩な企画に挑む。
国立新美術館だからこそできる展示を届けるために。
国立新美術館は、国内最大級の展示スペース(14,000㎡)を生かした多彩な展覧会の開催や、美術に関する情報や資料の収集・公開・提供、さまざまな教育普及プログラムの実施に取り組むことで、年間200万人を超える来館者に、美術に触れる機会を提供しています。
開館から、まもなく18年となります。
最大8mの天井高と約2,000㎡の広さをもつ企画展示室、その中を自在に仕切ることのできる可動式の壁は、ダイナミックな展覧会を作り出す大きな特徴です。この空間を活かし、ジャンルにとらわれず、その時代の視点を反映させた国立新美術館ならではの展覧会を開催しています。
「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」国立新美術館 2023年 展示風景(撮影:木奥惠三)
じつはこのような独自性の高い企画展の多くは、基本の予算に加え展覧会ごとに資金を獲得して実現しているものです。
▼主な資金獲得源
・企業などからの協賛金
・入場料・グッズ売上
・国や財団からの助成金 など
どの展覧会も、美術との出会いや新しい体験を楽しんでいただける展示を実現するために、予算確保はもちろんのこと、コストを抑えながらも妥協することなく関係者一丸となって取り組んでいます。しかしそれでも、資金の調達が難航する展覧会があるのは事実です。
さらに、昨今の海外輸送費や資材・物価の高騰なども追い打ちとなり、国立新美術館として皆さまに届けたい展示を形にするためには絶対的に資金が足りないケースも増えてきています。
そこで今回、2025年春開催の展覧会「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」の開催費用の一部を集めるため、新たな資金調達手段としてクラウドファンディングを実施することを決めました。
本展覧会では、建築家ミース・ファン・デル・ローエの残した設計図を元に、当時実際に建てられることのなかった住宅を原寸大で実現することに挑戦します。写真は本展で取り上げるミース・ファン・デル・ローエのもう一つの住宅「トゥーゲントハット邸」。
これまで国立新美術館は、個人向けのメンバーシップ制度を持たず、来館いただいた皆さまとのつながりを持つ機会も限られていました。今回のプロジェクトは、資金面だけでなく、当館の活動を応援してくださるさまざまな方と繋がり、ファンを増やしていくことも大きな目的のひとつです。
私たちは常に、皆さまに届ける意義があると思える展覧会を、信念をもって企画しています。そうした企画力と国立新美術館だからこそ実現できるダイナミックな展示を通して、誰もがさまざまな文化芸術や価値観に触れる機会を作り続けていくことが、私たちが提供できる一番の価値だと考えています。
ご賛同いただけましたら、ご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。