石川県輪島市横地町にある おおね動物病院 院長の大根理恵子です。
当院は開業17年目。
獣医師1名、スタッフ数名という田舎の小さな動物病院です。
輪島市を含めた奥能登地区には動物病院が数少ないこともあり、地元密着型のホームドクターとしてこれまで診療を行ってきました。
病院猫「ういろう」と
▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ
令和6年1月1日16時10分。
石川県能登地方を震源とする地震が発生し、私たちの住む石川県輪島市も甚大な被害をうけました。
この地震により、病院内の検査機器はことごとく落下。
受付付近は棚が折り重なるように倒れて、カルテや書籍が散乱。
手術室では重い手術台が倒れていました。 一体どこから片づけていっていいものか、途方に暮れる状況でした。
病院の建物自体は外から一見すると大丈夫そうにみえますが、
入院室のある病院裏手の擁壁に大きな亀裂が入って傾き、建物が沈下。 完全に床が斜めに傾いてしまいました。
地震前のおおね動物病院
傾いて閉まらない病院裏口の扉
大きな亀裂が入って傾いた擁壁
病院内の復旧をしながら、地震発生2週間後の1月15日から診察を再開しました。
断水や検査機器の故障により、応急処置しかできません。
それでも継続のお薬を必要としたり、体調を崩したペットが来院されました。
継続治療が必要なペットの飼い主さんに安否確認の電話をしたり、問い合わせの電話をいただいたり。
病気を抱えたペットにとって、大きな地震は相当のストレスとなってしまったのでしょう。
地震後、急に体調を崩して亡くなってしまった子達もいました。
安全な市外・県外にペットと共に避難された方も多く、もう輪島には戻れないとおっしゃる飼い主さんがたくさんいらっしゃいました。
現在は故障した検査機器の修理・交換も進み、可能な処置も増えてきましたが、
傾いて崩壊の可能性のある入院室は使用できない状態が続いています。
擁壁が傾いているため、病院建物の修繕には地盤基礎からのやり直しが必要とのこと。
大掛かりな修繕費用がかかってきます。
輪島市を離れた飼い主さんも多く、病院経営が厳しくなる中、病院再建が可能なのか?
正直、この病院を閉院することも考えました。
しかし、旧輪島市内には他に動物病院がなく※、高齢化が進んでいる輪島では遠方への受診が難しい飼い主さんがたくさんいます。
※2018年10月 石川県獣医師会 病院検索・紹介 https://www.ishikawa-vma.org/hospital/wajima.html
そして、被災された飼い主さんから 地震の際、愛犬だけを抱いて靴も履かずに外に逃げた。
家は全壊したけれど、この子が無事で本当よかった。
ペットと共に避難生活を送るのは大変だけど、こんな時だからこそペットが心の癒しになっている。
こんな話をお聞きするうちに、
輪島で頑張る飼い主さん、
いつかは輪島に戻ってきたいと願っている飼い主さんが安心してペットを飼い続けられるように
ここ輪島で病院を再建したいと思い、このプロジェクトを立ち上げました。
賛同してくださる方がいらしたら支援のご協力をお願いいたします。